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essence Identity水栓のハンドルを交換する?

現在でこそ水栓は設置場所や用途によって様々な機能を選ぶことができますが、少し遡れば、水栓の使い勝手やましてやデザインなど選択肢はとても少なく、水周りの設備全体も機能的でこそあれそれ以上の要素は意識されていませんでした。
ピヴォを企画した当時は、素敵な暮らしを求める「生活雑貨ブーム」だったこともあり、普段あまり意識を向けることのない設備品にもインテリア性を求める時代の始まりだったかもしれません。
水周りは実生活で使用頻度の高い設備であり、お客様の目に触れる事もある空間です。設備品自体を交換する事はできないけれど、ちょっとした部品で個性を演出できたら。そんな思いで始めた企画でした。
しかし水栓のスピンドル(軸の部分)は各社で規格が異なっており、全てに合わせるのは至難の技‥ そんな折、どんな型にも取付できるという特許を取得していた(株)小島合金(現essence 京都ファクトリー)との出会いにより製作の一歩を踏み出すことができ、「設備品を装う」という今までに無いコンセプトの製品を提案することができました。
またその後のエッセンスの製品開発において、技術や素材・アイデアのコラボレーションが広がって行く先がけとなりました。

essence Identityクロームメッキが当たり前?

設備品では一般的なクロームメッキ仕上げに加え、エッセンスの「顔」とも言える金属色バリエーションの水栓金具たちは、販売を始めた当時(平成15年頃)一般製品化はとても珍しく、また「めっきを施さない」という掟破りな提案も取り入れたことから、後々まで経年の変化については時間をかけて説明が必要でした。現在では徐々に認知され、エッセンスでは同色の給排水金具(サプライ)と組み合わせるスタイルで提案を続けています。

ブロンズ色や真鍮色、「金属らしい色」を製品に活かせばもっと空間づくりのイメージが広がるのではないか。設備品なので機能面では「変わらず長持ち」が良いのは当たり前、でも表情のお好みは多様で然るべし。錆びたり腐食したりと変化する事もまた選択肢の一つと捉える。
そんな価値観を共有できるお客様があってこそ続けられた提案ですが、水周りは各々の生活様式により変化の具合が大きく異なるので、お客様からのご報告で驚かされることも実は未だに少なくありません。

もちろん実務に適ったクロームメッキ仕上げも良いものです。
手入れが楽、丈夫、という魅力はもちろん、手入れをされながら長く長く使われている水栓などの、めっきも薄くなり素地が見えかかっている風情などはまさに「モノ冥利に尽きる」というもの。変わらず暮らしを支え働くモノへの愛しさを感じます。

素材がもつそれぞれの個性に着目することで、モノへの愛着をより深めていただければ幸いです。

essence Identityキャビネットを無くす?

箱型洗面台の存在は、往年の「洗面所」の原風景でした。
細々とした生活用品の収納もさることながら、以前は水周りの給排水部品は隠されるべき存在だったからです。
空間の印象を左右する嵩のある「箱」を無くすことで水周り空間の作り方に自由度が増すのではないか。 現在の多様化した生活スタイルに使い勝手良く、こころも満足できるカスタマイズとは?
身づくろいをしたり化粧をしたりと洗面所は日々自身と向き合う空間です。
心地良く過ごしたい空間に必要なのは本来「心を活性化させる機能」です。
「程々に過不足なく」も良いけれど、毎日の洗面にこそパウダールームとしてのクオリティと好みの質感やオリジナリティなども求めたい。
好きなもの、色、趣味などを取り入れ、機能はできるだけ簡素に。
設備や素材など、要素がシンプルで確かであるほど暮らしへの想像は豊かに広がります。
もっと自由に楽しく暮らしの空間を設える、そんなきっかけになれば良いと考えました。

essence Identityユニットでないとダメ?

出来上がったユニットとして設備を提案するのは、設置・施工の効率化に効果的です。でも素材やモジュールで画一的な印象になりがちなのが残念な現実でもあります。
洗面・手洗い空間は「顔を洗ったり手を洗ったりするトコロ」に違いはありませんが暮らしの数だけ使い勝手も異なるのは当然です。

エッセンスが提案する空間作りは、部品を自在に組み合わせることで省空間仕様から素材重視のこだわり派まで、多様なイメージを構築することができます。
子育て真っ最中だったり、お一人様だったり、歳を経てまた二人に戻ったり。現代の多様な生活スタイルに過不足なく、また各々のこだわりを持って最適化する。生活を支えるかたちはもっと自由に「暮らし」に添えば良いのではないかと感じます。

essence Identity素材は恒常的であるべき?

時間とともに味わい深くなる素材で出来たモノは、家の歴史や家族のストーリーまでも変化に内包します。
住宅設備品は通常、丈夫で機能的、変わらずにあることが最も意識されますが、エッセンスでは「変わる」ことにも注目しています。
時には意に沿わない変化もするけれど、暮らしの時間を共に過ごし共に歳を経て行くもの、変化=Aging(エイジング)=熟成と捉らえることのできる「育つ素材」。
人もモノも、変わることで一歩進んだ経験の足跡を見出すことができる。
私たちはそこにモノづくりの軸を置きたいと考えています。
多くを生産し消費していくような物ではなく、長く使い込むほどに愛着が増し、価値を高めていくものを。
作り手が手塩にかけた製品を、使い手が慈しみ使い続けることにより、日々の暮らしに喜びと心地よさを感じることができる。そんな循環を目指しています。

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